MatchingMapの地図は、地図を開くボタンをレコードページに配置して利用します。この記事ではそのボタンの設定方法を説明します。
また、地図の縮尺や検索範囲の初期値などボタンに指定するURLのパラメータで可能なカスタマイズについても説明します。
- 1. 付近の求人施設/求職者ボタンを作成する
- 2. 付近の求人施設/求職者ボタンを配置する
- 3. ルート検索に交通手段の初期値を渡すには
- 4. 地図の縮尺の初期値を指定するには
- 5. 検索対象範囲の最大半径を指定するには
- 6. フィルターの初期値を指定するには
- 7. フィルター項目の開閉状態を指定するには
1. 付近の求人施設/求職者ボタンを作成する
取引先を例に地図を開くボタン、以下の例では「付近の求職者」を追加する手順について解説します。
①「設定」の「オブジェクトマネージャ」を開き、MatchingMapの地図を表示するオブジェクトを選択します。
② 「ボタン、リンク、およびアクション」を開き、「新規ボタンまたはリンク」をクリックし「新規ボタンまたは新規リンク」の編集ページを開きます。
③以下の通り入力します。
③-1 表示ラベル、「付近の求職者」「付近の求人施設」適当なボタン名を入力します。
③-2 名前、「NearByJobSeeker」、「NearByAccount」など適当な値を入力します。
③-3 表示の種類は「詳細ページボタン」を選択します。
③-4 動作は「新規ウィンドウに表示」のままにします。
③-5 内部ソースは「URL」のままにします。
③-6 URLに以下の値を入力します。
/apex/matchingmap__index?id={!<選択しているオブジェクト>.Id}
取引先の場合は、「<選択しているオブジェクトの>」は「Account」に置き換えます。
/apex/matchingmap__index?id={!Account.Id}
③-7 [構文を確認]をクリックして入力したURLに誤りが無いことを確認します。
③-8 [保存]をクリックします。
以下の図は取引先の入力例です。
2. 付近の求人施設/求職者ボタンを配置する
①「設定」の「オブジェクトマネージャ」を開き、MatchingMapの地図を表示するオブジェクトを選択します。
② 「ページレイアウト」を開き、使用しているページレイアウトを開きます。
③ 「ボタン」を選択して、追加した「付近の求職者」または「付近の求人施設」ボタンを「Salesforce モバイルおよび Lightning Experience のアクション」の適当な場所にドラッグします。
④ 「保存」をクリックします。
3. ルート検索に交通手段の初期値を渡すには
地図上でスポットを選択したポップアップで「ルート検索」ボタンをクリックするとGoogleMapのルート検索を利用できます。(参照: 「MatchingMap - 利用者向けガイド MatchingMap 地図の画面構成」)
GoogleMapのルート検索には、交通手段による絞り込み機能がありますが、付近の求人地図であれば求職者レコードの交通手段項目の値を初期値として渡すように設定することができます。
設定手順は以下のとおりです。
オブジェクトに交通手段項目を準備
パッケージに含まれるサンプルオブジェクト「求職者」にはすでに「交通手段」(matchingmap__TravelMode__c)項目が追加されています。
「交通手段」は以下の選択値を持つ選択リスト項目です。
求職者または求人施設オブジェクトに設定したオブジェクトに交通手段を保持する項目がない場合は、上記と同じ選択値を持つ選択リスト項目を追加してください。
地図を開くボタンに交通手段の値を設定する
①「設定」の「オブジェクトマネージャ」を開き、MatchingMapの地図を表示するオブジェクトを選択します。
② 「ボタン、リンク、およびアクション」を開き、「新規ボタンまたはリンク」をクリックし「新規ボタンまたは新規リンク」の編集ページを開きます。
③ URLにパラメータ「travelmode」を追加します。
設定形式:
/apex/matchingmap__index?id={!<選択しているオブジェクト>.Id}&travelmode={!<選択しているオブジェクト>.<作成した項目名>__c}
以下の図は付近の求人の入力例です。
④「保存」をクリックします。
4. 地図の縮尺の初期値を指定するには
地図の縮尺の初期値を設定できます。指定しない場合のデフォルト値は12です。
設定方法は以下のとおりです。
①「設定」の「オブジェクトマネージャ」を開き、MatchingMapの地図を表示するオブジェクトを選択します。
② 「ボタン、リンク、およびアクション」を開き、「新規ボタンまたはリンク」をクリックし「新規ボタンまたは新規リンク」の編集ページを開きます。
③ URLにパラメータ「zoom」に1から21の数値を設定します。
※ 縮尺の値は、値が大きい方が縮尺が大きくなります(ズームします)。デフォルトの12から大きくしたり小さくしたり調整し、適切な値を指定してください。
設定形式:
/apex/matchingmap__index?id={!<選択しているオブジェクト>.Id}&zoom={縮尺}
以下の例では、縮尺を14に設定しています。
④「保存」をクリックします。
5. 検索対象範囲の最大半径を指定するには
地図上に表示するスポットの検索対象とする半径を設定することができまます。
半径のデフォルトは100kmです。
最大半径の同心円は赤で示され、半径を超えるスポットは検索対象外となります。
設定方法は以下のとおりです。
①「設定」の「オブジェクトマネージャ」を開き、MatchingMapの地図を表示するオブジェクトを選択します。
② 「ボタン、リンク、およびアクション」を開き、「新規ボタンまたはリンク」をクリックし「新規ボタンまたは新規リンク」の編集ページを開きます。
③ URLにパラメータ「radius」を追加します。最大半径はkm単位の数値をしていします。
設定形式:
/apex/matchingmap__index?id={!<選択しているオブジェクト>.Id}&radius={最大半径}
以下の図は付近の求人の入力例で、求職者の都道府県によって最大半径を変えています。
④「保存」をクリックします。
6. フィルターの初期値を指定するには
地図を開くボタンに設定するURLのパラメータにフィルターの初期値を設定できます。
例えば、以下の「付近の求人」地図では、求職者が希望する「職種」と「募集雇用形態」をフィルターの初期値としてセットし、あらかじめ表示するスポットを絞り込んでいます。
設定方法は以下のとおりです。
①「設定」の「オブジェクトマネージャ」を開き、MatchingMapの地図を表示するオブジェクトを選択します。
② 「ボタン、リンク、およびアクション」を開き、「新規ボタンまたはリンク」をクリックし「新規ボタンまたは新規リンク」の編集ページを開きます。
③ URLにパラメータ「filters」を追加し、各フィルター初期値として「{項目のAPI参照名}={初期値}」のような項目と値のペアをカンマ区切りで指定します。
設定形式:
/apex/matchingmap__index?id={!<選択しているオブジェクト>.Id}&filters={項目1 API参照名}={項目1 初期値},{項目2 API参照名}={項目2 初期値}
項目のデータ型ごとに設定形式がことなります。以下を参照ください。
選択リスト
<API参照名>=値1;値2;値3
初期表示でチェックを入れる値をセミコロン区切りで指定
テキスト
<API参照名>=値1
除外ワード
<API参照名>_ex=値1;値2
複数ワードを指定する場合は、セミコロン区切りで指定します。
数値
<API参照名>_from=10,<API参照名>_to=100
範囲検索なので最小値「<API参照名>_from」、最大値「<API参照名>_to」を個別に指定できます。
日付
<API参照名>_from=2020-10-01,<API参照名>_to=2020-11-01
範囲検索なので最小値「<API参照名>_from」、最大値「<API参照名>_to」を個別に指定できます。
日付のフォーマットは、「YYYY-MM-DD」です。
チェックボックス
<API参照名>=true
または
<API参照名>=false
設定例、1ヶ月以内に更新された求人のみを表示する場合は以下のように指定します。
④「保存」をクリックします。
7. フィルター項目の開閉状態を指定するには
フィルターの各項目はデフォルトでは、すべて開いた状態で表示されますが、使用頻度の低い項目は閉じた状態で表示するように指定することができます。
設定は、フィルターの初期値と同様にボタンに設定したURLにパラメータを追加します。
①「設定」の「オブジェクトマネージャ」を開き、MatchingMapの地図を表示するオブジェクトを選択します。
② 「ボタン、リンク、およびアクション」を開き、「新規ボタンまたはリンク」をクリックし「新規ボタンまたは新規リンク」の編集ページを開きます。
③ URLにパラメータ「filters」を追加し、表示時に閉じて表示する項目ごとに「{項目のAPI参照名}_collapse=true」のような値をカンマ区切りで指定します。
設定形式:
/apex/matchingmap__index?id={!<選択しているオブジェクト>.Id}&filters={項目1 API参照名}_collapse=true,{項目2 API参照名}_collapse=true
取引先の種別(Type)と業種(Industry)の設定例:
/apex/matchingmap__index?id={!<選択しているオブジェクト>.Id}&filters=Type_collapse=true,Industry_collapse=true
④「保存」をクリックします。